でんでんワールド

<オトシンネグロの繁殖事例> 
 2006年03月31日〜(繁殖成功は、5回目くらい)

今回は、ちょっと難易度の高い、オトシンネグロの繁殖です。
安い魚だけど、水槽の中で偶然に増える人はいても、量産に成功する人が少ないのがこの魚
その理由も、この記事を読めば、納得するはずです。

基本は、頭の中にある思い込みを捨てる事!!
コケ取り魚だと思っていたら・・・意外な一面があったのでした。
まずは、繁殖用の水槽を立ち上げてみました。

水中モーターに、スポンジフィルターを無理やり接続してます。

モーターの水の噴出し口にエアーを送り込んで、酸素が溶けるような工夫もしてみました。

イメージとしては、日本の渓流

水の流れの速い場所があって・・・
澄んだ水があって・・・
水の流れの緩やかな部分には、水草

今回使ったのは、アメリカンスプライト
安い水草だと、失敗しても勿体無くないですからね。
繁殖の時は、増えやすくて安い水草を使うのが、私の流派です。
水槽を立ち上げて、約1週間
水が安定したようなので、オトシンネグロを投入!!

水合わせも無く、別の水槽から掻き集めてきた・・・・その数は、メス4匹,オス8匹!!
(雌雄の比率は1:2が基本!!)

雌雄の区別ですが、写真を見れば簡単に区別できますよね。

左がオスで、右がメスです。

産卵時期になると、雌雄の区別はこのくらい簡単なんですよ。

(撮影の為に、網を使ってシルエットにしてます。)

産んだ〜。


繁殖水槽に放り込んだら、3日で産卵しました。

私の経験上、ナマズ科の魚は水質の変化で生むケースが多いんですよ。

特に、PHが上昇したり、水の中の不純物が減ると・・・刺激になるみたい。

オトシンネグロもそのパターンで産卵しました。
孵化

産んだ時間が明確では無いのですが、72時間くらいで孵化したようです。

この時期の稚魚は全く泳げません。
ガラス面に吸い付いているだけで、エサも食べられないみたい。

卵のうが凄く大きいので、食べなくても心配無用ですけどね。

大きさは、右下の枠の中を参照!!

幅1mmのヤキトリの串が横に写ってます。
親と一緒だと観察が辛いので、隔離水槽を立ち上げました。

水槽の大きさは、約2リットル
自作のアクリル水槽です。

毎日水替えするので、濾過は不要
でも、酸欠が怖いので、エアレーションだけしています。

水はメイン水槽の水を100%からスタートこの後足し水で水質を維持するので、水は30%からスタートです。

この中に孵化した稚魚をスポイトで採って集めます。
この作業が凄く大変なのです。
稚魚のエサですが、このサイズでインフゾリアしか食べれません。

しかし、インゾリアなんて稚魚が生まれてからでは準備できないのです。

そこで、インスタントに稚魚のエサを作ります。

左上、緑色になった水槽の水
屋外のスイレン鉢のドロドロでも大丈夫
右上:市販のエサ
右下:そのアップ
左下:これがポイント!!謎の液体

謎の液体は、発行式のCO2で有名なドライイーストを水に溶かした物です。

これらを適当に混ぜてさらに、乾燥ブラインも混ぜて・・・稚魚のエサを作ります。
この段階で、他にも何種類かの方法を試してみました。
そのままの水槽で親と一緒に飼育すると、エサ不足で大半が餓死していしまいます。
また、始めからブラインを与えてもダメ、死亡率90%以上
マジックリーフを使った方法と、この方法が生存率30%以上でした。

とにかく、稚魚の時期のエサが難しいのです。
孵化2日目の稚魚です。
目が黒くなって、少し泳げるようになりました。


内臓の中が少し緑色になってますよね。

これは、スーパーブレンド飼料を食べた証拠なのです。

しかり食べてるから、初期飼料はこのエサでokだったみたいです。

周囲の白い粉末状の浮遊物が、スーパーブレンド飼料です。

エサが漂う中で飼育する事で、24時間いつでもエサが食べられるようにするのも、稚魚を育てるポイントです。
3日目

かなり色がオトシンネグロ・・・。

それらしい形になってきました。

この時期から、エサを変更する必要があります。

スーパーブレンド飼料だけだと、餓死してしまうのです。

4回目までは、これが解らずに稚魚の大半が死んでしまいましたが、今回はヒントをGETしたので、それにチャレンジします。

周囲の色が緑色なのは、スパーブレンド飼料+照明で、水がグリーンウォーターになったからです。
4日目 新たな挑戦!!
エサを切り替えます。
今までのエサに加えて、生きたブラインを与えます。

画像は食べた食後です。
1〜2匹食べただけで、胃袋の中がオレンジ色になって、こんな状態になります。

但し、ナマズ科の魚は塩分に弱いので、ブラインは塩分濃度1%で孵化させて、さらに塩分を取り除いてから与えましょう。

大半の人が、この魚を草食だと思ってたのでは?
この魚は、子供と大人で食べる物が違うのです。

日本の魚だと鮎が同じパターンですよね。

私もこれに気付かずに、過去に4回も失敗したのです。
集合写真(5日目)

サイズは、5mmくらいにまで成長しています。

明日にはスポイトで吸えない大きさになる勢いなので、稚魚を集めて、撮影してみました。

約180匹います。
稚魚の数がとんでも無い数なので・・・

急遽育成環境を変更!!

20cmキューブにお引越しです。

水替えすると、稚魚が流れちゃいそうなので、毎日足し水10%でokなように水は30%しか入っていません。

ある程度水が増えたら半分捨てて・・・
毎日10%水を足して・・・

こんな飼育方法だと、水質の変化が少なくなるし、忙しい時でも水入れるだけなら簡単なんですよね。

常に水を満タンに入れるなんて概念は、ブリーディングの世界には無いのです。

こんな発想の転換も、繁殖ポイントです。
ブラインだけだと、エサが足らない時や留守にした時に辛いので・・・
代替飼料を食べるかも実験。

メダカのブリードで使っている、アルテミアを与えてみました。

↑の部分に注目!!

丸いのが、食べたアルテミアです。

孵化したばかりの時は、全く食べなかったアルテミアも、孵化1週間くらい経てば食べるみたい。

エサで苦労するのは、始めの一週間だけのようです。
孵化8日目と2日目の個体を並べて撮影してみました。

一週間で倍くらいの大きさになってるんですよね。

8日の個体は、かなりオトシンになってますが、2日目は白いおたまじゃくしみたいです。
水換えの技です。

稚魚の水換えは、失敗すると簡単に全滅しちゃうので、ちょっと特殊な方法でやってみました。

メインの水槽の水を抜いた後に、点滴方式で水を足しています。

2個の容器を並べて、その間に毛糸を垂らすと・・・毛細管現象により、少しづつ水が足されるのです。

この方法を使うと、急激な水質変化が発生しないので、凄く簡単に水換えができるんですよ。

左右の水槽の水位が同じくらいになったら、右の水槽の水を抜いて・・・
左を満タンにする・・・
これを、数日毎にやれば、常時水が足されているような状態になるんです。
この水換えも、難易度の高い部分の一つです。
速度が速いと、水質の変化で簡単に壊滅します。
水換えが少ないと水質の悪化で稚魚の体表に、水カビが生えて死んでしまうし・・・。

もっと大きな水槽で稚魚を育てた方が楽だったみたいです。
そこで、ちょっと水質を変化させて、水カビを防ぐ事にしました。

マジックリーフを少し、入れてPHを下げる事で、水カビの発生を抑える事にしました。

今までの飼育は、PH7前後
マジックリーフを使うと、PHが6.5くらいになるので、少しだけ入れてゆっくり水質を変化させるのがポイントです。

また、水換え用の水も同じくらいの量のマジックリーフを入れて水質を調整する事で、水換えが簡単にできるようにしてみました。
さらに、濾過を入れて、水質を安定させる事にしました。

初めから濾過を入れると、グリーンウォーターが透明になってしまって、エサの意味が無くなってしまうので、この時期までガマンするのがポイントのようです。

この時点で孵化から10日目

稚魚の生存率は50%
かなり減ってしまっています。

とにかく難しいです。
10日目の稚魚です。

かなりオトシンの形になってきましたが、ブライン食べておなかがパンパンになっているのが特徴です。

エサが少ないと死んじゃうので、1日1回〜2回は、このくらいの体型になるまで食べさせて、その後に2割くらい水換えして食べ残しを除去する手間がかかせません。

そして、2週間・・・
稚魚が大きくなってきたので、水槽をさらにグレードアップ

稚魚の大きさは、約2cmにまで育っています。

水流があった方が、いいかな?なんて思って、吸い込み口にスポンジフィルターを接続した水中ポンプを使い、水槽内の水を攪拌しています。

ここまでやる必要は無いのかも知れませんが、ちょっと拘ってみました。
約3週間経過
意外な発見がありました。

マジックリーフの葉っぱが葉脈だけ残してスケスケになってきたのです。

オトシンネグロが食べたているんです。

植物質のエサよりも、ブラインばっかり食べていたのが、この時期から雑食性になり、植物を食べるようにまります。

一般的には、ほうれん草やタンポポの葉っぱを茹でて与えるのですが、マジックリーフを使えば使放り込んで置くだけで稚魚のエサになるようです。
大きさ3cmに育った稚魚です。

お腹が膨らんだ幼児体型から、オトシンらしいスマートな体型に変化しています。

ブラインはまだ食べますが、植物性のエサも食べるので、もう普通に飼育できる状態にまで育ちました。

まだ、水質の変化には弱い状態ですが、ゆっくりと透明な水に慣らせば他の水槽でも飼育できます。

なお、画像が荒れているのは、ブラックウォーターの色を色調補正で無理やり取り除いているからです。
色調補正しないと、こんな感じです。
紅茶の中を魚が泳いでいるようなイメージになっています。

実際にオトシンネグロが、生活している川は、こんな色をしているそうなので、魚にとっては快適な環境は観賞という観点からは、遠いいものなのかも知れません。

とりあえず、この水で4cmくらいまで育てたら、普通の透明な水に慣らして出荷しようかな?なんて思ってます。


おしまい。